雑誌、ラジオパーソナリティー、写真など多方面で活躍されるモデル前田エマさん。2022年の独特な少女時代の煌めきを綴ったはじめての小説集『動物になる日』（ミシマ社）は、強炭酸ソーダ水のような透明で甘酸っぱくシュワシュワな口当たりで、一気に飲み干そうとすると残酷な喉ごしにもかかわらずいつのまにか心の滋養に効く読後感。

昨年『アニョハセヨ韓国』（三栄）に引き続き、このたび待望の初エッセイ集『過去の学生』がミシマ社より刊行されます。「人が大人になっていく幾つもの瞬間」や、「子どもという弱くて完璧な存在への愛おしさ」とある宝物のような一日を「取り出しては眺め、きらきらと輝いているのを確認しては、そっとしまうのを繰り返している。」エマさんの子ども時代から最近の韓国留学の日々の学びの中で見過ごせない違和感や自分を再発見されるエッセイ集です。装画・挿画を担当された坂巻弓華さんをゲストにお迎えしトークイベントを開催いたします。坂巻さんは、美しくシュールな『坂巻弓華寓話集』（BOOKNERD）を刊行され、エマさんは巻末エッセイを寄稿されています。「寂しさと悲しさの真ん中のような気持ち」と、衒いなくくすくすわらってしまうユーモラスな作風の美大出身のおふたりの「アートがこの世にあってよかったな」や子ども時代からいまのお仕事につながる「あれやこれや」をお話ししていただきます。

1号館2階キッズコーナーでは、おふたりの著作をはじめ、おすすめ絵本や児童文学などもご紹介いただくフェアも同時開催いたします。

どうぞふるってご高覧くださいませ。

『過去の学生』
小説やエッセイの書き手として、モデルとして、ラジオパーソナリティとして…多方面で活躍する気鋭の作家が、幼い頃の学校生活から30歳での韓国留学まで、「学校」をテーマに綴る初のエッセイ集。規範の中で芯を持ちながら生きる、著者の生き様が滲み出た一冊。

【プロフィール】

前田エマ（まえだ・えま）
1992年神奈川県生まれ。東京造形大学在学中にオーストリア・ウィーン芸術アカデミーへ留学。モデル、ラジオパーソナリティなど、活動は多岐にわたる。2023年、韓国・延世大学韓国語学堂に留学。著書に、小説集『動物になる日』（ちいさいミシマ社）、『アニョハセヨ韓国』（三栄）がある。

坂巻弓華（さかまき・ゆか）
画家。個展を中心に作品を発表。絵画のほか短編物語やマンガを制作。著書に「たんていくまたろう」シリーズ（あかね書房）、「坂巻弓華寓話集」（BOOKNERD）、「サカマキマンガ」（プレコグ・スタヂオ）がある。また、オルネドフォイユよりポスターやぬいぐるみなどグッズが発売中。